国文法と日本語文法・その1

国文法と日本語文法

小学校や中学校で学んだ国文法

みなさんは
いつ頃日本語の文法を学びましたか?私は
中学校の頃ではなかったかと思います。

この、学校で必ず習う国文法は
(すでに、
日本語ができるようになってから学ぶので)
話したり、書いたりするときの
役には立っていません。

中学生のころは
国文法の時間になると、
偉そうに
「どうして
こんなことを勉強しなければならないのか、
わからん!」と思ったり、
「退屈だ~」と瞼が閉じそうになったり、
真剣に授業を聞いていませんでした。
(先生、ごめんなさい!)

日本語を教えるための日本語文法

それから時は流れ、
日本語教師になるために
日本語文法を学び始めた時です。

日本語文法が
自分が中学校の時に習った国文法とは
あまりにも違うので、
内心とても驚きました。

どうして同じ言語なのに
2種類の文法があるのか?

日本語は一つの言語です。
それなのに、どうして
2種類の文法があるのでしょうか。

そして
同じ日本語の文法なのに
国文法と日本語文法は
どうして
こんなにも違うのでしょうか。

それは
私たちが小学校や中学校で学んだ
国文法は
日本人のための文法で、

日本語教師になるために学んだ
日本語文法は
外国の人に教えるための文法だからです。

そうはいっても
同じ日本語の文法なのに、
あまりにも違うのは「なぜ?」と
疑問に思いませんでしたか。

どうして国文法と日本語文法は
こんなにも違うのか?

国文法の成り立ち

国文法と日本語文法が
こんなにも違うのは
両者の成り立ちが全く違うからです。

小学校や中学校で学ぶ国文法は
「古典」の流れを汲んでいます。

つまり、
国文法が大事にしているのは
日本語の古典(過去)と
今使われている現代文とを
結びつける役割としての文法です。

私たちは日本人として
昔の人がどんな日本語を使っていたのか
ということを
知る必要があります。

そして
後世の人にも
伝えていかなければなりません。

国文法は
脈々と伝えられてきた
古典と国文学の中で
育まれてきたため、

過去の日本語と
現代の日本語の一貫性を重視しています。

つまり
日本語の機能面ではなく、
形式や伝統を大切にしているのです。

そこで
現代の言語学の見地から見ると、
矛盾の多い体系となっています。

国文法は
古典文学を学ぶ準備としての役割を
担っているのです。

日本語文法の成り立ち

一方、日本語文法は
古典とは切り離して作られました。

外国の人が日本語を学びやすいようにと、
考えて作られたれた文法です。

その制作者も
日本語教育に携わる
教育者や言語学者です。

彼らは
古典とのつながりを
断ち切ってよかったため、
文法の形式を整える必要は
ありませんでした。

日本語の構造のみに
焦点を当てることができたのです。

目指したのは
機能的でわかりやすい体系を持った
日本語文法です。

つまり
日本語を教える人には
どのように文法を指導したらよいのか、

日本語を学ぶ人には
日本語文法の
どんな点に注意したらよいのか、
といったことに重点を置きました。

国文法と日本語文法は
上記のように
作られた経緯や目的が全く違うため、
こんなにも異なっているのです。

ここで、
国文法と日本語文法の違いを
もう一度まとめておきます。

国文法と日本語文法の役割

<国文法>

国文法は
日本語の古典の継承を大切にしている文法です。
そこで
論理性ではなく、形式を重視しています。
そのため
現代の言語学的見地から見ると
矛盾点があったり、
整合性を欠いているところがあります。

しかし、
私たちは
日本語の流れ(伝統)を見失わないために
古典を学ぶ必要があります。
国文法は
古典が読めるようになるための
前段階としての価値があります。

 

<日本語文法>

日本語文法は
外国人が日本語を学ぶときに知っておくと
役に立つ日本語の文法です。

日本語を話すための
道具としての役割を持ちます。

日本語を教える時の注意点

国文法と日本語文法とでは
その成り立ちから
「役割が全く違う」
ということがわかりました。

そこで
日本語学習者に日本語を教える時、
私たちは小学校や中学校で学んできた
国文法を教えないことが
大切です。

国文法と日本語文法が
ごちゃごちゃにならないよう、
留意しましょう。

最後に
日本語に対する誤解について
少し私見を述べたいと思います。

「日本語は論理的ではない」
これは事実なのか?

「日本語は論理的ではない」
という批判をよく耳にします。

しかし、
日本語文法を学べば学ぶほど
外国語の文法と比較したとき、

その論理性とシンプルさが
際立ちます。

動詞の活用や五十音表など
「美しい」ほど機能的です。

「日本語は論理的ではない」
という批判は
もしかしたら
私たちが小学校や中学校で習ってきた
国文法を指しているのかもしれません。

国文法は
形式重視で、
矛盾点を多く抱える文法体系ですから。

学校時代に学んだ国文法の記憶が
「日本語は論理的ではない」という
刷り込みを造り上げてしまったのかもしれない、
と思うのです。

日本語文法は
日本語教育を学んだ人しか知らない、
少数派の文法です。

日本語教育に携わる者として、
そうした世間の言説に
流されないようにしましょう。

日本語学習者には
日本語文法は
とても「理路整然とした文法」であると、
胸を張って教えていきましょう。

国文法と日本語文法についての記載は
以下の(2)~(6)まで続きます。

 

(2)言葉の単位・その2
↓↓↓
言葉の単位・その2

 

(3)品詞の分類・その3
↓↓↓
品詞分類・その3

 

(4)動詞の活用・その4
↓↓↓
動詞の活用・その4

 

(5)動詞の音便・その5
↓↓↓
動詞の音便・その5

(6)動詞のテ形・その6
↓↓↓
動詞のテ形・その6

 

ではではニゴでした。

 

 

コメントを残す

CAPTCHA


サブコンテンツ

このページの先頭へ