希望・願望の表現「~たい」
希望・願望の表現「~たい」
私は V たいです。
例)国の家族に会いたいです。
例)国へ帰りたいです。
●構文:「動詞ます形の語幹 + たい」
(会います+ たい)
●活用は形容詞と同じです。
●意味:話し手の願望を表します。
助詞の問題:コーヒー( を VS が )飲みたい
●「~たい」は「ほしい」と同じように、
形容詞の性格をもっています。
ほしい:N が ほしい(辞書がほしい)
「ほしい」は「辞書がほしい」のように
願望の対象は「が」をとります。
(「ほしい」をご覧になりたい方はコチラをどうぞ)
>>希望・願望の表現「ほしい」
そこで、「辞書( が / を )買いたい」
は「辞書が買いたい」のように
「が」が本筋だと考えられてきました。
しかし、最近の調査・研究では
「が」より、「を」を使う方が圧倒的に多い
という結果が出ています。
実際の用法としては
「~を~たい」を基本の形として、
用いる方が合理的です。
「~を~たい」vs「~が~たい」
●基本は「~を~たい」
●「~が~たい」のほうが自然な場合
例(1)
A:CD、どの曲(○が / ?を)聴きたい?
B:カラヤンのベートーベン(○が / ?を)聴きたいなあ。例(2)
冬には やっぱりスノボ(○が / ?を)したい。
*例(1)(2)のように、
いくつかの候補がある中から、一つを選ぶ場合は、
「が」を用いる方が自然です。
例(3)
上橋菜穂子氏の「鹿の王」(○が / ?を)読みたい。
例(1)(2)の延長で、
*「これだ」という意味を表現したい時は
排他性の強い「が」を使う方が自然です。
例(4)
おなかがすいた。ラーメンが食べたいなあ。
例(5)
暑い日は ビールが飲みたい。
*例(4)(5)のように、
「食べる」「飲む」といった日常的によく使う動詞は
「が」の方が自然です。
●「~を~たい」のほうが自然な場合
(1)を格の意味機能が、行為の対象ではない場合。
例)鳥のように、空(×が / ○を)飛びたい。
*空は対象ではなく、通過する場所
(2)動詞に「~ている」などの形が挿入されている場合。
例)もっと、テレビ(?が / ○を)見ていたい。
(3)を格と動詞の間に、ほかの要素が入っている場合。
例)おしゃべり(?が / ○を)思いっきりしたいのに、時間がない。
助詞「~(を/が)~たい」・学生への注意点
「~たい」の時に使う助詞は「を/が」である、
と認識してしまった学習者は
*国へ帰りたい
*プールに行きたい
*友達に会いたい
*キムさんと結婚したい
といった文にも「を/が」を使ってしまう
場合があるので、注意しましょう。
第三者の願望を表す
●「~を/が~たい」も、「ほしい」と同じで、
主語は基本的には話し手です。
(○私は/×あなたは/×彼は)赤ワインが飲みたい。
●第三者の願望を表す場合には
アンさんは 富士山に登りたい そうです。
らしいです。
と言っています。
のように用います。
*アンさんは富士山に登りたがっています。
を用いる場合もありすが、
「~たがる」は制約の多い表現ですから、注意が必要です。
また、「だだをこねる」と言った意味合いを持つこともあります。
ここでは提出しない方が、無難だと思われます。
●希望・願望の表現の質問文
「~ほしいですか?」「~たいですか?」
の注意点については こちらをご覧ください。
ではでは ニゴでした。