マニュアル敬語・バイト敬語

マニュアル敬語とは

お客様と
じかに接することの多い職場では
敬語の研修が欠かせません。

特に新入社員や
途中から現場に入った社員にとって、

敬語は
その場に立った瞬間から、
使わなければなりません。

敬語研修が
間に合わないことも想定されます。

そこで、
敬語を使う機会の多い職場では
わかりやすい敬語の指導書が
必要不可欠です。

敬語の指導書には
具体的な敬語表現を用いた
会話例が記載されています。

それを
「マニュアル敬語」と言います。

バイト敬語とは

バイト敬語とは
コンビニやファミリーレストラン、
ファーストフード店などの
接客時に使われる
独特な言葉遣いのことです。

例えば

(1)こちらにお名前のほうをご記入ください。
(2)こちらコーヒーになります。
(3)ご注文の品はお揃いになりましたか

といった言い方です。

適切な言い方としては

(1)こちらにお名前をご記入ください。
(2)コーヒーでございます。
(3)ご注文の品は揃いましたでしょうか。

が考えられます。

どうして、バイト敬語と言われる
独特な言い回しをしてしまうのか。
その原因を探ってみます。
まず例文(1)の
「こちらにお名前のほうをご記入ください」
から始めましょう。

(1)こちらにお名前のほうをご記入ください

丁寧な言い方の「~のほう」

「~のほう」の使い方の一つに
物事を直接言わず、遠回しに
そのことに言及する、
というものがあります。

つまり、
話題をぼかすことにより、
露骨な言い方を避け、
相手が傷つかないようにするための
配慮です。

例えば
Aさんは街中で
Bさんと偶然出会いました。

その時Aさんは思います。
「・・・そういえば、
Bさんはがんを患ったはずだ。
今は元気そうだが、
実際のところ
大丈夫なんだろうか・・・」

そんな時
AさんはBさんに対して

「お体のほうは、いかがですか」

といった具合に尋ねます。
Bさんに対する配慮です。

比較表現の「~のほう」

また、「~のほう」
比較表現でよく使われます。

A:コーヒーと紅茶、
  どちらをよく飲みますか?

B:そうですねえ・・・。
  コーヒーのほうかなあ・・・。

どんな場面だったら適切?

(1)こちらにお名前のほうをご記入ください。

この例文の場面が、
「(こちらには住所を、)
  こちらにはお名前のほうをご記入ください。」

のように、
住所と名前の、
比較表現の「~のほう」だったとしたら、
問題のない文となります。

ところが、
「丁寧な言い方」の「~のほう」として
使っているのだとしたら、NGです。

特に
名前というのは
正確に書くことが求められます。

名前は「ぼかし」てはいけない事柄です。

そこで、
「こちらにお名前をご記入ください」
と言った方がいいですね。

(2)こちらコーヒーになります。

丁寧な言い方の「~になります」

「~になります」の使い方の一つとして
丁寧さを表す
「~になります」があります。

例えば
何かを紹介したり、説明したり
するときに使います。

<デパードで>

(1)店員:こちらのコートは1万円になります

(2)客 :すみません。トイレはどこですか。
   店員:あちらになります

(3)店員:こちらがお勧めの新商品になります

(4)(見学者に対して)
   案内人:こちらが当館のパンフレットになりますので、
       どうぞ、お持ちください。

「~になります」は
こうした使い方があるので、
「丁寧に言おう」と思って、
「こちらコーヒーになります
と、使ってしまうのかもしれません。

この場面が

「こちらが、
(豆のブレンドを工夫し、
 新たに開発した当店オリジナルの)
 コーヒーになります。」

のように、
新発売のコーヒーを
お客様に説明するのだったら、
適切な表現となります。

変化表現の「~になります」

 

「~になります」
の代表的な使い方は変化の表現です。

(例)おたまじゃくしからカエルになります
(例)あっ、信号、赤になっちゃうよ
         (=赤になります

言葉遣いに敏感な人だったら、

(2)こちらコーヒーになります。

この表現を聞いて
「こちらコーヒーになります(=変化します?)」

「・・・これは、コーヒーもどきで、
    もう少し時間がたてば
  本物のコーヒーになるの・・・?」
         

などと、
違和感を持ってしまうかもしれません。

そこで、
「コーヒーでございます。」
さりげなく言って、
コーヒーをテーブルに置く方がいいですね。

(3)ご注文の品はお揃いになりましたか

(3)ご注文の品はお揃いになりましたか

お揃いになりました」
「そろいます」の尊敬語です。

尊敬語とは
敬意を表したい人の行為を
尊敬語にする、というものでした。

尊敬語の形式:「おV(動詞)になります」

(例)今、田中先生が話しています。

●田中先生に敬意を表したいので、
 この文を敬語化します。

「話す」という行為をしているのは
「田中先生」です。
そこで、
田中先生の行為である
「話す」を尊敬語にします。

「お話になる」
→「ただいま、田中先生がお話しになっています」


以上の
尊敬語化のルールから分析してみましょう。
(3)ご注文の品はお揃いになりましたか

「そろいます」を敬語化していますから、
「そろいます」という行為をしている人が
敬意を表したい対象となります。

ところが、
この文の「そろいます」の対象は
「ご注文の品」です。

そこで、
この文では
ご注文の品」に
敬意を表している
ことになってしまっています。

目の前に敬意を表したい人がいるのにもかかわらず、
品物の方に敬意を表していたら、
それはとても失礼なこととなってしまいます。

そこで、
お客様に敬意を示すためには

「ご注文の品は揃いましたでしょうか?」

のように使うと、
適切な言い方となります。

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ではではニゴでした。

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