お土産と差し入れ

お土産(おみやげ)と差し入れは どう違うのか?

ノートを整理していたら
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」は
どう違うのか?

という箇所がありました。
NHKの「チコちゃんに叱られる」という
テレビ番組で取り上げられたテーマです。

しかし、
ノートには日付が記載されておらず、
いつ放送されたのかは、
よくわかりません。

2021年であることは確かです。

何気なく、使い分けている
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」

今日の記事を読むと、
はっきりと使い分けができるようになります。

お土産(おみやげ)と差し入れは どう違うのか?
道行く人に聞いてみた

番組では道行く人に
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」
の違いを聞いていました。

通りすがりのAさんの意見:

差し入れは
「お世話になります」という気持ちで渡すもの。

おみやげは
「お世話になっています」という気持ちで渡すものです。

Aさんの定義、なかなか日本語的にも
深いものがありますね。

これからお世話になる方へは
「差し入れ」をし、

今現在お世話になっている方には
「お土産(おみやげ)」を渡す。

次に通りすがりのBさんのご意見は・・・:

「差し入れ」は
何かの魂胆があって、
あげたら喜ぶんじゃないの?みたいな、
腹に一物があるもの。

お土産(おみやげ)」は
身近な人に渡すイメージかなあ・・・

AさんとBさんの意見、
みなさんはどう思われましたか?

そして
みなさんだったら、
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」
どのように定義しますか?

①「お土産(おみやげ)」と②「差し入れ」の定義

今回、
この言葉の解説をしてくださったのは
流行語や専門用語などの研究をなさっている
梅花女子大学の米川明彦教授です。

米川氏によると、
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」
この言葉の生まれた経緯は
全く違う、とのことでした。

まずは
「お土産(おみやげ)」から始めます。

昔のお土産の読み方は?

現在「おみやげ」は
「お土産」という漢字を使っています。

しかし、昔は
「お土産」は「おみやげ」とは読まず、
そのまま「土産」=「とさん」
と読んでいたそうです。

そして、
土産=とさん」とは
「その地の物」という意味でした。

もともとは
中国から入ってきた漢語とのことです。

「土産」=「とさん」
と読んでいた昔とは
いつの時代かというと
平安時代にさかのぼるそうです。

平安遺文(へいあんいぶん)とは?

 

 

 

 

 

平安時代の
古文書などを編集した資料集、
「平安遺文」

 

上記の「平安遺文」には
「土産」=「とさん」
と書かれており、

平安時代の土産(とさん)とは
「その土地の産物」という意味だ
と記されています。

ところが
時がたち、室町時代になると、
意味に変化が生じます。

土産(とさん)の意味の変遷
平安時代から室町時代

平安時代
「その地の物」
という意味だった「土産(とさん)」

室町時代になると
別の土地に行ったとき、
その土地の産物、つまり土産(とさん)ですね。

その土産(とさん)を持ち帰り、
周囲の人たちに贈り物として配る、
という習慣が形成されていったそうです。

そこで、
平安時代には単に
「その地の物」という意味だった
土産(とさん)」が

室町時代になると
その「土産(とさん)」を周りの人に配る
贈り物」という意味が付け加わりました。

つまり
時代を経て室町時代には
土産(とさん)」は「贈り物」
を指す言葉に変わっていったのです。

戦国時代末期

さらに時がたち、
戦国時代末期になると、
見上げ(みあげ)」という言葉が
表れました。

これは
「品物をて、人に差し上げる」
という意味だったそうです。

もとは
「見上げ(みあげ)」という発音でしたが、
言いやすいように
「見上げ(みげ)」が「みげ」に
変化していきました。

また、
この「みやげ」は
以前からあった「土産(とさん)」と
意味合いが非常に似通っています。

そこで、だんだんと
「土産(とさん)」を
「みやげ」と読むようになったのではないか、

と、米川氏はおっしゃっています。

①「お土産(おみやげ)」と②「差し入れ」の定義

次に②「差し入れ」についてです。

差し入れとは?

「差し入れ」とは
「差す」と「入れる」の
二語から成り立っています。

これは古くからある言葉で、
もともとは
「隙間に物を入れる」
という意味でした。

それが明治時代になると
「ある特定の隙間に物を差し入れる」
という意味に変化しました。

その特定の場所とは
監獄=刑務所
のことです。

明治時代の監獄のドアには
食事を入れるための
小さな隙間がありました。

その隙間から
刑務所で出される食事だけではなく、
差し入れとしての食料品や日用品が
入れられていたのです。

 

 

 

この写真は
明治村の監獄の
隙間から中を覗いているものです。
(明治村より)

 

刑務所に閉じ込められている人は
その場所から当然出られません。

牢屋からは出られないので、
看守が預かった品物を
その隙間から
牢の中へと入れる、

つまり
「閉じ込められている人に
隙間から物を渡す」
と言う行為を
「差し入れ」
と言うようになったのです。

1917年(大正6年)に
発行された「東京語辞典」の中にも

差し入れ:
罪人の未決監房に在る時、
弁当、衣類、書物等の品物を
知人より差し入れる。
これを「差し入れ」という。

のように記載されているそうです。

「差し入れ」の意味の変遷

以上のように、
「差し入れ」は
刑務所に入っている人に使う言葉でした。

しかし、
今では一般の人にも使われています。

一般の人に使うようになったきっかけ
明治時代の花柳界=芸者さんたちの世界
からだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

明治時代の芸者さんが
お座敷などにずっといることを
「監獄」に見立て、
そこでいただくごちそうなどを
「差し入れ」と呼びました。

その後
寄席芸人や芝居小屋で演じる役者さんたち

つまり、今でいう業界人から
この「差し入れ」という言葉が
広まりはじめ、

やがて、
仕事中のオフィスやドラマの撮影現場
などで働く、
身動きの取れない人たちに、
品物を渡すことを
「差し入れ」と言うようになりました。

まとめ
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」の定義とは

最後に
「お土産(おみやげ)」と「差し入れ」
の定義を、簡潔にまとめておきます。

お土産(おみやげ):

土地の産物を持ち帰り、
周りの人におすそ分けするもの

差し入れ(さしいれ):

ある場所で、
身動きのとれない人に渡すもの

今では
上記のような使い分けがなされています。

 

ではではニゴでした。

 

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