閑古鳥と鳩時計
閑古鳥が鳴く
「閑古鳥(かんこどり)が鳴く」とは、
「このレストラン、閑古鳥が鳴いているね。潰れちゃうんじゃないの・・・」
のように、お客さんが全くいなくて、さびれている様子を表しています。
閑古鳥とは?
では、閑古鳥とは、鳩? すずめ?
古語に呼子鳥・喚子鳥という季語があります。
(ちなみに、喚とは、呼ぶという意味があります)
昔の人は、かっこうの鳴き声が、人を呼んでいるようだと、思ったのでしょう。
呼子鳥とは、かっこうのことです。
そして、かっこうの鳴き声は、物寂しいとも感じたのでしょう。
呼子鳥 → 喚子鳥 → 閑古鳥
と変わっていきました。
![かっこう](https://www.tomojuku.com/blog/wp-content/uploads/2015/09/cd6201910bf2b61f08e7de04f1595ae5-300x225.jpg)
かっこう
閑古鳥と鳩時計
閑古鳥とは、かっこうのこと。
では、鳩時計と何の関係があるの?
と思われますよね。
![鳩時計](https://www.tomojuku.com/blog/wp-content/uploads/2015/09/4e16c5a89d764e65717b0921b8312eff-300x483.jpg)
鳩時計
鳩時計 発祥の地
鳩時計発祥の地は ドイツです。
ドイツ南西部、スイスとの国境に近い、シュヴァルツヴァルト地方の
おもりで動かす、木製の振り子時計が 始まりだと言われています。
(200年前から作られています)
実はドイツでは、「かっこう時計」とも言います。
なぜなら、時計の鳥は、「鳩」ではなく、「かっこう」だからです。
初め、ドイツの職人さんは、鶏の声を出そうと苦労されたそうです。
でも、「にわとり」の鳴き声は、複雑すぎたのです。
そこで、二つの音階ですむ、「かっこう」に変更となりました。
これが、「かっこう時計」と言われるゆえんです。
閑古鳥と鳩時計
「かっこう時計」が日本に入ってきたときです。
漢字で書くと、「閑古鳥時計」となってしまいます。
さびれた様子を表す、閑古鳥(が鳴く)
そんな時計では、売れるわけがありせん。
そこで、とある会社が昭和24年、
平和の象徴でもある、鳩に変え、
「鳩時計」と銘打って売り出したのです。
いわば、「鳩時計」と名を変えたのは、
時計会社の戦略だったのですね。
芭蕉の句
閑古鳥をつかった、芭蕉の有名な句に
「憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥」
があります。
![落柿舎](https://www.tomojuku.com/blog/wp-content/uploads/2015/09/24cbe2536ae6081f0892ab19677ae94e-300x380.jpg)
落柿舎
元禄(げんろく)四年(1691年)四月二十二日、
京都嵯峨(さが)の去来の別荘、落柿舎(らくししや)での句。
「閑古鳥」は「かっこう」のこと。初夏のころ山深いところで鳴く。
季語は「閑古鳥」で、季節は夏。
「閑古鳥よ、その寂しい鳴き声で
世をつらく思う孤独な私を寂しがらせてくれ。
その寂しさの中に浸りたいのだ。」
ではでは ニゴでした。