人を数える名(めい)と人(にん)の違い

NHKに
『チコちゃんに叱られる』という番組があります。
先日のテーマが
とても興味深いものでした。

日本語の授業に役立ちそうなので、
以下に記載しておきます。

そのテーマとは・・・

人を数えるときには、
、二・・・十(じゅうにん
、二・・・十(じゅうめい

のように、
にん)」を使ったり、
めい)」を使ったりします。

その使い分けは
どうなっているのか、
というのがテーマでした。

人の数え方で「にん)とめい)」とでは
何が違うのか?

例えば
国立競技場の収容人数は
6万8千人(にん)です。

ここでは
人(にん)を使っています。が、

わが社の今年の新入社員は総勢
200名(めい)です。

の例では
名(めい)を使っています。

また、
日常のこんな会話では

A :「乃木坂46」って、
今、46人(にん)じゃないよね。
B:うん。メンバーの数、結構変わるからね。

のように、
人(にん)を使って話しています。

 

その使い分けにはルールがあるのでしょうか?
解説は
中央大学の飯田朝子教授です。
飯田先生によると・・・

人(にん)名(めい)の使い分け

原則としては
人間を数えるときは
人(にん)」を使います。

ただし、
その人たちの、個々の名前が
特定できる場合に限っては
名(めい)」を使うというのが、
基本的な使い分けのルールです。

ということでした。

では、
このルールに則っての質問です。

質問(1)
野球の試合です。
観客の人数は
人(にん)名(めい)との
どちらで数えるでしょうか?
・・
・・
・・

⇒ 観客一人一人の名前は
わかっていません。
そこで、
人(にん)を使います。

 

質問(2)
ホテルで働いているとします。
ホテルの宿泊客の人数は
人(にん)名(めい)との
どちらで数えるでしょうか?
・・
・・
・・
⇒ ホテル側は
ホテルに宿泊するお客様に対して、
チェックインするときには、
宿泊名簿に名前を記入してもらっています。
そこで、
名前が一人一人特定できるので、
名(めい)を使います。

 

質問(3)
質問者:
では、
うどん屋さんのお客さんの数は
人(にん)名(めい)との
どちらで数えるでしょうか?

回答者
⇒うどん屋さんは
お客さんの名前までは知らないので、
人(にん)を使います。

質問者:
不正解です。

回答者:えー!
でも、うどん屋さんに名前を
教えたことはありませんよ。

実は
個人の名前が分かっていない場合でも、
名(めい)を使うことがあります。

それは
相手に敬意を払う場面の時です。

サービス業では
人を数えるときの原則が当てはまらない

例えば、
レストランでの光景です。

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ」
「1名(めい)様、ご来店です」

どうですか。
お客さんの名前は
わかっていませんが、
名(めい)を使っています。

もし、
名前が分からないので、
原則にのっとって、
「いらっしゃいませ。
お客様、お一人(ひとり)様ですね」
と使ってしまったら、
お客様は
どう思うでしょうか?

ちょっと、
「さびしいお客さんが
いらっしゃいました」と、
言われているように
感じませんか?

このように、
飲食業などでは
敬意を払う相手(お客様)に対しては
名前が分かっていなくとも、
名(めい)を使うことがあります。

 

飲食関係以外でも、
こうした使い分けが行われているようです。

例えば
エレベーターは
何人(にん)乗りですか?」
と言います。

これは
エレベーターには
誰が乗るのか、わからないのですから、
人(にん)でOKですよね。

ところが、
エレベーターの中には
「定員6名(めい)
のように、記載されています。

これも
エレベーターに乗るお客様への
敬意の表れなのかもしれません。

名(めい)」と「人(にん)」の歴史

江戸時代

飯田教授によると、
江戸時代までは
名(めい)」という数え方はなかったと、
考えられているそうです。

なぜなら、
様々な書物を見てみても、
名(めい)」という数え方が
使われていないからです。

反対に
名前が特定できている人物に
人(にん)」が使われている書物は
けっこう残されているそうです。

明治時代

太平の江戸から激動の明治になると、
政府は
全国民一人一人を把握する必要性に迫られ、
戸籍が必要と考えました。

なぜなら、
江戸時代の戸籍は
あると言えばある、
といった程度のものでしたから。

そして
その戸籍の管理は、
中央の幕府が一括して行うのではなく、
村ごとに任されていたのです。

つまり、
幕府側では
全国民の名前を
把握できてはいませんでした。

そこで、
明治政府は
全国民一人一人の名前、住所等を把握するため、
新たに戸籍を作成したのです。

それが
『太政類典(だじょうるいてん・明治5年)』
です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これによって、
人を数えるときの単位
名(めい)」が誕生した、
と考えられています。

おそらく、
この「太政類典」によって、
全国民の名前を特定できたことから、
をとった「名(めい)
という数え方が誕生したのだろうと、
と言われています。

補 足

ちなみに
三者面談」という言葉がありますね。
これは
どうして「面談」と言わずに、
「者」を使っているのでしょうか?

者という数え方

者(しゃ)」という言葉も
名(めい)」や「人(にん)」と同じように
人を数えるときの単位として使われます。

この「者(しゃ)」は
違った立場の人が
集まっている場合に用いられる
単位です。

上記の、
「三面談」

 

 

 

 

これは
先生、生徒、保護者と

それぞれ違った立場の人が集まっているので、
面談」ではなく、
面談」を使っています。

「者」への質問

野球で、
残塁」とか言いますが、
あれはどうしてなんですか?

回答:

それは
一塁ランナー、二塁ランナー、三塁ランナー、
が、それぞれ役割が違うからです。

・一塁ランナーは一つでも多く塁を進める。
・二塁ランナーは確実に塁を進め、
ホームベースも狙う。
・三塁ランナーはヒットが出れば、
一気にホームを目指す。

それぞれのランナーは
役割が違うと言えます。

このプレーヤーが
置かれた状況で、立場が違うときに、
」を使います。

飯田教授は
「ここに野球というスポーツの
奥深さが出ています」と
おっしゃっていました。

(もしかしたら、
飯田教授は
野球がとてもお好きなのかもしれません)

最後の質問

最後の質問です。
人魚姫やケンタウロスのように、
半分人間、半分動物の生き物を数えるときは
どんないい方をするのですか?

 

 

 

回答:

それは
架空の存在ではあっても、
ケンタウロスや人魚姫は
人と同じように言葉を交わしたり、
人と恋愛をしたりするので、
」を使います。

 

以上が
番組内容の一部分です。

数え方は奥が深いですね。
みなさんの参考になれば幸いです。

 

 

ではではニゴでした。

 

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