国文法の動詞の活用形とその用法

ここでは
日本語文法ではなく、
国文法の活用形とその用法について解説します。

日本語を教えるときには使いませんが、
日本語教師として、
知っておくと便利だと思います。

例えば、「連用形
日本語教育では、あまり使わない用語です。
しかしながら、
(どのテキストか失念してしまったのですが、)
中、上級の日本語テキストに
突然この用語が出てきたことがあります。
そこで、
国文法についても、少し解説することにしました。

動詞の活用とは

動詞は
「飲む」「食べる」「来る」など、
動作を表し、言い切りの形がウ段の音で終わります。
(例)会段)
(例)飲(nomu)→u)段の音

動詞には活用があります。

活用とは
「飲む」「飲まない」「飲みます」「飲めば」・・・
のように、
形が変化することです。

動詞の活用形の種類

以下の記事で、
国文法と日本語文法の
活用形の名称の違いについて述べました。
(以下をクリックするとその記事へ行きます)
↓↓↓

動詞の活用・その4

そして
以下の表が、上記の記事に記載したものです。

【国文法と日本語文法の活用形の名称の違い】

国文法 日本語文法
未然形 否定形
意向形
受身形
使役形
連用形 連用形
テ 形
タ 形
丁寧形
終止形 辞書形
連体形
仮定形 バ 形
命令形 命令形
 - マス形
 - タリ形
 - タラ形
 - 可能形

 

国文法の動詞の活用形は

「未然形」「連用形」「終止形」
「連体形」「仮定形」「命令形」

の6種です。

例えば
動詞「飲む」の活用形は以下のようになります。

(ない)・・・未然形
(う) ・・・未然形
(ます)・・・連用形
(だ) ・・・連用形
(。) ・・・終止形
とき)・・・連体形
(ば) ・・・仮定形
(。) ・・・命令形

語幹と活用語尾

上の例を見ると
」という動詞には
形が変化しない部分(「」)と
形が変化する部分(「」)とがあります。

このように
形が変わらない部分を「語幹
活用によって形が変わる部分を「活用語尾
と言います。

 

 

 

 

 

 

 

※動詞の中には
語幹活用語尾の区別がないものもあります。

 

語幹と活用語尾の区別がない動詞

①着る、見る、似る、射る・・・(上一段活用)
②得る、出る、寝る、経る・・・(下一段活用)
➂来る         ・・・(カ行変格活用)
④する         ・・・(サ行変格活用)

動詞「飲む」の未然形は「ない」ですが、
動詞「着る」の未然形は「 ない」となります。

このように、
「着る」という動詞には
語幹活用語尾の区別がありません。
また、
語幹がない動詞」という場合もあります。

動詞の活用形の用法

文の中で
動詞は6種のうちのどれかの活用形で用いられます。

(例)毎朝、コーヒーを飲みます
・・・・・・・・・・・・↑(連用形)

これから6種の活用形
「未然形」「連用形」「終止形」
「連体形」「仮定形」「命令形」

の用法について見ていきます。

(1)未然形の用法

未然形とは
「まだ、そうなってはいない」という意味です。
(現代語でも、
事故を未然に防ぐ、のように使います)

未然形は
動詞の後ろに続く言葉が、
「ない」「う」「よう」となります。

つまり、「まだ飲まない
(まだ飲んでいない、これから)
「飲も」「食べよう

といった感じです。

●今日は家にこもるので、誰とも会わない
・・・・・・・・・会わ=「会う」の未然形
●約束の時間はとっくに過ぎている。もう、行こ
・・・・・・・・・・・・行こ=「行く」の未然形

(2)連用形の用法

連用形とは
用言に連なる
ようげんつらなる)ということです。

用言とは
活用のある言葉で、
品詞で言えば
動詞、形容詞、形容動詞のことです。

(なお、「体言」は「用言」の対義語です)

連なるとは
続いていくことを意味しています。
つまり、
連用形は文を途中で切ることなく、
続ける場合に使うと理解していいでしょう。

連用形は
用言に結びつく形ですから、

食べて、寝る」の「食べて」、
歩き疲れた」の「歩き
などが、連用形となります。

と言われれば、少しは
わかりやすいのではないでしょうか。

連用形は
動詞の後ろに続く言葉が
「ます」「た(だ)」「て(で)」など、
となります。

①今日は図書館に行きます
・・・行き=「行く」の連用形
②昨日は久しぶりに寿司を食べ
・・・食べ=「食べる」の連用形
➂友達と会っ、いろいろ話した。
・ 会っ=「会う」の連用形

※どうして、「ます」「た(だ)」に続く言葉が
連用形になるのか、疑問に思った方も
いらっしゃると思います。
これについては次回解説します。

中止法

➂友達と会っ、いろいろ話した。
会っ=「会う」の連用形

例文➂は、連用形で文をつないでいます。
これは
文を接続する一般的な方法です。

このほかに、連用形でいったん文を区切り、
さらに文を展開させるという接続の仕方があります。

これを「(連用形)中止法」と言います。

(例)風が吹き、雷鳴がとどろく。
・・吹き=「吹く」の連用形

<一般的な接続法>

●学校へ行って、友達に会う。

<中止法>
●よく学び、よく遊べ。

中止法は
現代日本語で、とてもよく使われています。
特に作文の授業では
必ず勉強する項目となります。

(3)終止形の用法

①終止形:言い切りの用法

終止形は
文が終わるときに使う形です。

●雨が降る
降る=「降る」の終止形

終止形は
「。」で終わるので、言い切りの形とも言います。
単語の基本となる形で、
基本形とも言われることがあります。

②終止形:助動詞、助詞とつながる用法

終止形には
後ろに続く言葉が
助動詞や助詞の場合があります。

(例)明日は関東地方に台風が上陸するそうだ
上陸する=動詞の終止形 + そうだ(助動詞)>

(例)このボタンを押す、店員さんが来てくれます。
押す=動詞の終止形 + (助詞)>

(4)連体形の用法

連体形とは
体言に連なる
(たいげんつらなる)ということです。

体言とは名詞のことです。
連体形とは体言に結びつく形で、
後ろに続く言葉が名詞となります。

食べるときは、話さないでください。
食べる=「食べる」の連体

●なんにでも興味を持つことが大切です。
持つ=「持つ」の連体

(注)連体形終止形を見比べると
・・形が同じだということがわかります。
・・違いとしては、
・・終止形は「。」で終わりますが、
  連体形は後ろに文が続き、
・・後ろの言葉は名詞となります。

(5)仮定形の用法

仮定形とは
動詞の後ろに続く言葉が「ば」となります。

●少し休めば、落ち着くでしょう。
休め=「休む」の仮定形

(6)命令形の用法

命令形とは
命令して、文を言い切るときの形です。

●早く逃げろ
逃げろ=「逃げる」の命令形

 

 

ではではニゴでした。

コメントを残す

CAPTCHA


サブコンテンツ

このページの先頭へ