ChatGPTについて(その2)

対話型AIを理解しよう

対話型AIであるChatGPTが公開されて以来、
様々な問題提起がなされています。

しかしながら、
もはやAIを「使わない」という選択肢は
考えられません。

学校教育でも
AIを使っての授業が始まっています。

日本語教育界でも
AIを使って授業をする日が
来ないとも限りません。

また、学習者は
対話型AIを使って日本語を勉強する、
ということを
すでにやっているかもしれません。

それならば、
私たちは対話型AIと
どう付き合っていくのか、

学習者が
AIを使うときに、
どうアドバイスするのか、など、
準備をしておく必要があるかもしれません。

そこで、
まずは
相手を理解するところから、
始めたいと思います。

ChatGPTの誕生

ChatGPTは
若者たちの壮大な夢から誕生しました。

2015年、
イーロン・マスク、
サム・アルトマン(起業家)
イルヤ・サツキヴァー(AI研究者)
グレック・ブロックマン(AI技術者)
たちは
シリコンバレーに集まり、
夢を実現すべく行動を開始します。

それはAGI計画ー
AGI(汎用人工知能)が
全人類に利益をもたらすことを
確実にしていくという計画ですー

つまり、
人間と同じように
様々な課題を処理することができる
AI(人工知能)を開発し、
世界経済や科学技術の発展、
人間の創造性に
寄与していくという、
何とも壮大な計画です。

その計画を実現するための研究機関が
OpenAI(AI開発企業)です。

対話型AIとは

対話型AIとは
人とコンピューターの会話を
より人間同士の会話に近づけるための技術です。

これは
人があらかじめ質問を予測し、
AIに回答を覚えさせる、
といったものではありません。

AIが人の質問に対して、即時、
自動で回答していく技術です。

この技術のベースとなっているのが、
自動言語処理システムです。

このシステムを使い、AIに
想像を絶するほどの大量な文章と、
「言語モデル」を
学習させていきます。

その言語モデルも
パラメータ(数式の係数)が
数千億に達するほどの大規模なものです。

 

対話型AIは
その学習量が膨大になればなるほど、
高機能化していきます。

では、
対話型AIは
どうやって人間の質問に応えていくのでしょうか?

対話を生成していく方法

本当にざっくりですが、
この仕組みの説明を試みていきます。

例えば、
「今日の天気は」の次には
どんな言葉が来るでしょうか?

おそらく、
「晴れでしょう」とか
「雨でしょう」などといった言葉が続きます。

つまり、
「今日の天気は」の次に来る言葉は
こうした言葉になる確率が高いと言えます。

では、
「今日の天気は」の次に、
「山です」とか「机です」
といった言葉が続くでしょうか。

こうした言葉がくる確率は
限りなくゼロに近い。

対話型AIは
大量の言語データを学んでいます。
そのデータの中から、
「今日の天気は」
の次に続く言葉を探します。

そして
「晴れでしょう」が
確率的に一番高いと判断すると、

「今日の天気は」「晴れでしょう」
と文を生成していきます。

これはAIが「正しい答え」だと理解して
生成しているわけではありません。

あくまで、大量のデータの中から、
確率の最も高い言葉を取り出しているだけです。

注意しなければいけないポイントは
AIは
言葉を取り出しては来るけれど、
自分で考えている、
というわけではないのです。

そもそも、AIに
「この質問に対する正答は~である」
といったデータは
入っていません。

対話型AI、進化の過程

AIが自然な会話をするために必要となるのが、
言語のデータです。

データ量やパラメータの数値が高いほど、
高度なデータ処理が可能となり、
より自然な文章を作り出せると言われています。

その変遷を少し調べてみると、

2019年
GPT2のパラメータ数は15億4200万

2020年
GPT3は1750億

このたったの2年間で、
パラメータ数は1000倍にもなりました。

ChatGPT4の登場

2023年3月には
GPT4がリリースされました。

パラメータ数は公開されていませんが、
一兆以上とのうわさも流れてきています。

GPT4は
今までのGPTに比べ、
最適な文章を生成する能力が
格段に上がったと言われています。

GPT4が
アメリカ司法試験の上位10%に入るスコアを
獲得した、とのニュースも
世界中を驚かせました。

しかしながら、
GPTの日本語能力は
まだ、精度が低いのではないか、
とも言われています。

では、
その能力がどの程度なのか、
ちょっと覗いてみましょう。

ChatGPTの書いた詩

NHKの番組で面白いクイズが
出題されました。

以下の4編の詩の中で、
ChatGPTが生成したものは
どれでしょう?
というクイズです。
(3編の詩は
本当の小学生が書いた詩です)

みなさんも、挑戦してみてください。

ちなみにAIには
詩のテーマは「夏」
小学4年生が書くような詩をお願いします、と
指示したそうです。

(1)
夏がやってきた
私は夏になると
かき氷をたくさん食べます
かき氷はとてもキンキンです
アイスクリームもわたくしは食べます
夏になると嬉しく感じます

(2)
太陽の光
降り注ぐ
熱い太陽の下
風鈴が泣いて
いい気持ち

(3)
夏休みが始まる
海に行きたいな
アイスクリームが食べたいな
友達と遊びたいな
夏は楽しいな

(4)
暑い夏
家は暑くて
エアコンつける
プールに行くと寒い

以上の4偏ですが、
どれがChatGPTの創作した詩でしょうか?

みんさん、予想がつきましたか。
そして、
その詩を選んだ理由は何ですか。

回答は(3)です。

そして、
4編の詩の中で、
文の流れと語彙の選択が
一番自然なのが(3)だと思いませんか。

それこそが
ChatGPTの得意とするところなのです。

ChatGPTは
誰かが書いた文章をもとにして、
出現確率の高い言葉を次々に
紡いでいきます。

ChatGPTは
オーソドックスな文を書くことに
より力を発揮します。
独創的、芸術的な文を書くことは
人間の方が(まだ?)
優れているようです。

 

今回はここまでにします。
次の記事は
●どんな企業がChatGPTを使っているのか、
●どう使っているのか、
●私たちと関係が深い
・・教育関連企業はどうなのか、
●AIとの付き合い方
●AI時代に教師として、どうふるまうのか?

などについて考察してみました。

引き続きご覧になりたい方は
以下をクリックしてください。

→生成AI・ChatGPTについて(その3)

チャットGPTに関係する記事をご覧になりたいときは
以下をクリックしてください。

→チャットGPTにつて(その1)

→生成AI負の側面(その4)

→生成AIの得意分野と苦手なこと(その5)

→日本の生成AIの進化が止まらない??(その6)

→生成AIの危険性に対抗するために(その7)

 

 

ではではニゴでした。

 

 

 

 

 

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