継続動詞・瞬間動詞・状態動詞・第4種の動詞

継続動詞・瞬間動詞・状態動詞・第4種の動詞(動詞の分類)

金田一春彦氏の動詞の分類

(1)状態動詞:状態を表す。「~ている」の形にならない。
(2)継続動詞:ある時間内続いて行われる種類の動作、作用を表す。
「~ている」の形になり、
「動作の進行中」であることを表す。
(3)瞬間動詞:瞬間に終わってしまう動作、作用を表す。
「~ている」の形になり、動作、作用が終わって、
「その結果が残っている」ことを表す。

(4)第四種の動詞:時間の観念を含まず、形容詞のように
その物事の様子、性質、形状、印象を表す。
常に「~ている」の形で用いられる。

<状態動詞の例>
ある、いる、(可能の)できる、要する、値する、など。

<継続動詞の例>
(1)人間の動作を表すもの:読む、書く、笑う、泣く
(2)自然現象を表すもの:散る、降る、咲く、など。

<瞬間動詞の例>
死ぬ、(電気が)つく、消える、触る、届く、決まる、
見つかる、始まる、終わる、など。

<第四種の動詞>
そびえる、すぐれる、ずば抜ける、ありふれる、似る、
(水が)澄む、(角が)とがる、高い鼻をする(している)など。

●「瞬間動詞」は、その動作が起こる前と後では、変化が生じているので、
変化動詞ということもあります。

「瞬間動詞」と「継続動詞」

●また、「瞬間動詞」「継続動詞」、両方の資質をもつ動詞もあります。

(1)今、着物を着ていますが、
上手に着られないので、手伝ってください。
(2)あの紬の着物を着ている人は、田中さんです。

(1)は「継続動詞」としての用法で、今、着物を着つつある、進行中を表します。

(2)は「瞬間動詞」としての用法で、もうすでに着物は着ています。
着物を着た結果の状態を表しています。

●瞬間動詞の定義の中に、「瞬間に終わってしまう動作・作用を表す」
とあります。

そこで、「ボールをける」のような、一瞬で、一回の動作が終わってしまうものも、
瞬間動詞だと、思いがちです。

しかし、「ボールをけっています」と聞いたとき、
私たちはどんな様子を思い浮かべるでしょうか。

(1)リフティングしている様子
壁にボールをけってあてる行為を繰り返している様子
(ける行為を一人で、繰り返しています)

(2)多くの人が、それぞれボールをけっている様子
(一人ではありませんが、別々の人がボールをけることによって、
ける行為が繰り返されています)

このように、「ボールをけっています」ときくと、
「ける」という行為が繰り返されているという意識が働きます。

そこで、こういう時には「瞬間動詞」ではなく、
動作の継続を表しているので、「継続動詞」とみなします。

「瞬間動詞」と「第4種の動詞」

(1)この半年で5キロも太っている。
(2)あの人は太っていますが、スポーツが得意なんですよ。

(1)は、半年前と現在を比較して、5キロ太ったと、
その変化を述べています。
これは、「ふとる」という変化が起こり、
その「結果の状態」を述べています。

つまり「瞬間動詞」の用法です。

(2)はあの人は、太っている様子をしている、と形容詞的に述べています。
これは「単なる状態」「ある状態、性質を帯びていること」を表す
「第4種の動詞」の用法です。

「太る」という動詞は、瞬間では起こり得ませんから、
「継続動詞」とも考えられます。しかし、
(1)では「瞬間動詞」
(2)では「第4種の動詞」の振る舞いをしています。

●金田一春彦氏は、
「瞬間動詞」と「第4種の動詞」
「継続動詞」と「瞬間動詞」
の弁別が難しいこともある、と述べています。

●アスペクトについて、知りたい方はコチラをご覧ください。
(アスペクトのページに戻ります)
>>アスペクト(時間の流れに焦点をあてる文法形式)

ではでは ニゴでした。

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