~ておく

「~ておく」の意味

1、後に続く動作や、後に起こる出来事のために、
前もって何かをする。

(1)レポートを書く前に、資料を集めておく。
(2)友達が遊びに来るので、ケーキを買っておく。

(1)(2)のような例文では「準備」として
教えるところが多いようです。

(3)食事が終わったら、お皿を洗っておきます。
(4)使ったら、元の場所に戻しておきます。

(3)(4)は、「準備」では、教えにくいかもしれません。
「次回使う時のためにする」と、わかってもらえばいいですね。

2、そのままにする(放置)

A:窓を閉めましょうか。
B:いいえ。暑いですから、開けておいてください。

A:お皿、洗いましょうか。
B:後で洗いますから、そのままにしておいてください。

上記のように「~ておく」は、わかりやすいように、
「1、準備」「2、放置」の二つに分けて考えます。

しかし、「~ておく」の基本的な意味は、
「あとに起こる事柄を予想して、前もって何かをする」
ということです。

1、の{友達が来るので、「ケーキを買っておく」}は、問題ありません。
2、の{暑いですから、「窓を開けておく」}も、窓を閉めてしまうと、暑くなるので、
そのまま、何もしないでください。放置しておいてください。
ということで、「窓を開けておく」のです。

「~ておく」の注意点

1、話し手の行為について使う

(1)私が、掃除しておきます。
(2)× 田中さんが掃除しておきます。

「~ておく」は(1)のように、
話し手自身の行為・動作に用いられます。

(2)のように、第三者の田中さんを
主語にしてしまうと、非文となります。

2、無意志動詞とは使えない

(1)試験までに、この単語を覚えておきます。
(2)明日から、忙しくなるので、今日はたくさん寝ておきます。
(3)× 今の恋人にふられそうだから、別の人と出会っておこう。

「~ておく」は、ある目的のために、前もって何かをします。
そこで、(3)のように「無意志動詞」は使えません。

(2)のように、自動詞は問題ありません。

無意志動詞に関する記事はこちらをご覧ください。
>>無意志動詞と意志動詞

3、「~ておく」がとる助詞

・眠くならないように、コーヒー飲んでおきます。
・次の会議は長引きそうなので、トイレ行っておきます。
・明日の会議がうまいくいくよう、あらかじめ部長話し合っておきます。

「動詞+ておく」がとる助詞は、動詞が本来とる助詞を用います。

・コーヒー飲む→コーヒー飲んでおく
・トイレ行く →トイレ行っておく
・部長会う  →部長会っておく

4、「~ておく」の縮約形

「~ておく」は、話し言葉では、縮約した形で使われます。
Ⅰグループ
話しておく→話しとく  書いておく→書いとく
読んでおく→読んどく  言っておく→言っとく

Ⅱグループ
食べる→食べとく 見る→見とく

Ⅲグループ
する→しとく くる→きとく

「~ておく」のまとめ

(1)「前もってする」
「行為者+が」+意志動詞(自動詞・他動詞)+ておく」

・ドライブに行く前に、ガソリンを入れておく。
・友達が来るので、花を飾っておきます。

(2)「そのままにする」
「行為者+が」+(目的語+を)+意志動詞(他動詞)+ておく

A:荷物を運びましょうか。
B:重いですから、そこに置いておいてください。

A:テレビを消しましょうか。
B:9時から見たい番組があるんです。つけておいてください。

*動詞「置く」は置いておきます。とおいてが二つ重なります。
時々学生が「置いておく」は正しいのかと聞いてきますので、
授業の時に練習した方がいいですね。

ではでは ニゴでした。

サブコンテンツ

このページの先頭へ