比況の表現「~ようです」

  比喩(比況)の「~のようだ」

(1)A:ひどい風です。
B:そうですね。まるで嵐のようです。

「~のようだ」の意味

●比況とは、ほかのものに例えていう言い方です。

●副詞「まるで」を、よく一緒に使います。

「~のようだ」の形

1、言いきりで使う「~のようだ」

(2)A:田中さんは歌がじょうずですね。
B:ええ。まるで歌手のようです。

[名詞]+の+ようだ  → (例)先生+の+ようだ

2、連体修飾の「~のような[名詞]」

(3)これは何のお茶ですか。薬のよう味がします。
[名詞]+の+ような[名詞 ] → (例)銀行員のような[人]

3、連用修飾の「~のように[動詞/形容詞]」

(4)あの人は プロのダンサーのよう踊ることができます。
(5)あの人は、時計のよう時間に正確だ。
[名詞]+の+ように+[動詞]   → (例)お相撲さんのように[太っています]
[名詞]+の+ように+「形容詞] → (例)真冬のように[寒いです]

推量と比喩の「ようです」

(例)あの人はモデルのようです。

(1)「推量」:この例文では、あの人の職業を知らない場合、
あの人の外見や歩き方などから、
職業は「モデル」ではないかと推量しています。

(2)「比喩」:あの人の職業をモデルではないと知っている場合は、
あの人はモデルではないが、モデルに例えて、
背が高い、スタイルがいい、ことなどを表現しています。

(1)「推量」のときには、「どうやら」「どうも」といった、副詞と
一緒に使うと、「推量」だとすぐに判断できます。

(2)「比喩」のときには、「まるで」を使うと、すぐに「比喩(比況)」
だとわかります。

●推量の「~ようだ」には、連用・連体修飾の形はありません。

●推量の「~ようだ」に比べ、比況の「~のようだ」は、意味は簡単です。
しかし、形は、連用修飾、連体修飾にも使えるため、やさしいとはいえません。
授業では、連用修飾、連体修飾の練習もたくさんする必要があります。

推量の「~ようだ」をご覧になりたい方は こちらをどうぞ。
>>推量の「~ようだ」

例示の「~ようだ」をご覧になりたい方は こちらをどうぞ。
>>例示の「~ようだ」

比況の「~のようだ」の慣用的表現

以下は中級で学ぶものですが、
比況の「~のようだ」の慣用的な表現を示しておきます。

・芋を洗うような混雑
・絵にかいたような美しさ
・大船に乗ったような気持ち
・奥歯に物が挟まったような言い方
・鬼の首を取ったように得意になる
・噛んではき捨てるように言った
・木で鼻をくくったような態度
・木に竹を接いだようにちぐはぐだ
・絹を裂くような女の叫び
・蜘蛛の子を散らすように逃げさった
・雲をつかむような話
・鈴を転がすような美しい声
・砂をかむような思い
・竹を割ったような気性
・掌(たなごころ)を返すように容易だ
・玉を転がすような声
・血のにじむような努力
・手が切れるような寒さ
・手に取るようにわかる
・掌(てのひら)を返すように態度を変える
・とってつけたような挨拶
・飛ぶような売れ行き
・苦虫をかみつぶしたような顔
・蜂の巣をつついたような騒ぎ
・羽が生えたように売れる
・火が消えたようにさびれる
・火がついたように泣く
・身を切られるような思い
・身を切るような寒さ
・降ってわいたような話
・水の滴(したた)るような美しさ
・水を打ったように静かになる
・目を皿のようにして捜す
・綿のように疲れる
・割れるような拍手

以上は「基礎日本語辞典」から引用しました。

ではでは ニゴでした。

サブコンテンツ

このページの先頭へ