「~ために」表現(3)目的の注意点

「~ために」目的表現を導入するときの注意

●初級では「どうして~?」の疑問文の時には、
「~から。」で答える表現を先に勉強しています。

A:どうして食べないんですか?
B:おなかがすいていませんから

●「どうして~?」を使った疑問文は、
「~から」だけではなく、
「~ために」表現を使っても答えられます。
きちんと伝えておきましょう。

A:どうしてあす学校を休むんですか。
B:姉の結婚式に出席するために、休まなければならないんです。

●「何のために」を使った疑問文は、強い表現になりがちです。
例えば、以下の文はいつ使うのでしょうか。

A:何のために日本へ来ましたか。
B:日本語を勉強するために来ました。

この会話を使う場面は、おそらく、アルバイトの面接等で、
Aは、面接官
Bは、学生
といった、状況でしょう。

●「何のために」を使った疑問文は、
目上の人には、使いません。
友達同士の設定で、練習するようにしましょう。

「~ために」表現(目的)学生の間違え

(例1)×マンガを読めるために、日本語を勉強します。

●「~ために」表現(目的)では、前件の文に可能形は使えません。
意志動詞を用います。

(例2)×学生がこの本を読むために、先生はこの本の漢字にルビをふります。

●「~ために」表現(目的)では、前件の文の動作主と後件の文の動作主は、
同一人物でなければなりません。

(例3)×みんながわかるために、漢字にルビをふりました。

どうして(例3)の文は、不自然なのでしょうか。
下の例文は「~ために」表現(目的)の典型的例です。
『スピーチコンテストで優勝するために、毎日練習します。』

●「~ために」表現(目的)の本来の意味は、このように、
「自分がはっきりとした目標を持ち、それに向かって行動する」
ということです。そこで
●「~ために」表現(目的)では、意志的な動詞を使います。
(例3)の「わかる」は、意志的な動詞でないので、不自然だと感じます。
この場合は、

(例3’)○みんながわかるように、漢字にルビをふりました。

のように、同じ目的を表す「~ように」を使うと、しっくりきます。

目的を表す「~ように」vs「~ために」

(例1)病気が治るように、手術をする。
(例2)病気を治すために、手術をする。

「~ように」「~ために」は、目的を表すことができます。
違いは(例1)(例2)を見ても分かるように
「~ように」は、無意志的な動作に続き、
「~ために」は、意志的な動作に続きます。

動詞には 無意志的動作と意志的動作の両方を表せるものがあります。

この漢字の書き方は、忘れてしまった。(無意志的)
こんなに悪いテストの点数は、忘れてしまおう。(意志的)

学生にとっては、難しい問題です。

(例3)試験に受かる<ように / ために>頑張ります。
(例4)日本語が上手になる<ように / ために>勉強します。

また、(例3)(例4)は、日本人でも、
どちらも使うという人もいるかもしれません。

「~ために」を導入するときには、あいまいな文を
使わないようにしましょう。

●「~ために」表現の目的をご覧になりたい方は、
コチラをクリックしてください。
>>「~ために」表現(1)目的

●「~ために」表現の原因理由をご覧になりたい方は、
コチラをクリックしてください。
>>「~ために」表現(2)原因・理由

ではでは ニゴでした。

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