自・他の対応のある動詞と使役文

「自動詞文・他動詞文・自動詞の使役文」の意味の違い

(1)教室に入る(自動詞)
(2)教室に入れる(他動詞)
(3)教室に入らせる(自動詞の使役形)

(1)(2)(3)の意味はどう違うでしょうか。
文を作ってみます。

(1)私は、教室に入った。
(2)私は 学生を 教室に 入れた。
(3)私は 学級委員に指示して、学生たちを 教室に 入らせた。

自動詞である(1)は、自分が教室に入ります。
他動詞である(2)は、自分が直接行動して、学生を教室に入れます。
自動詞の使役形である(3)は、自分が人に指示して、学生を教室に入れます。

上記は、自動詞、他動詞、自動詞の使役形の意味の違いです。

(2)の他動詞文は、私が直接学生を教室に入れています。
(3)の(自動詞)使役文は、人に指示を出して、
   間接的に学生を教室に入れています。

そこで、他動詞直接的に関与し
動詞の使役形間接的に関与していると言います。

もうひとつ例をあげておきます。

(1)(人)ホテルに泊まる。(自動詞)
(2)(人)ホテルに泊める。(他動詞)
(3)ホテルに泊まらせる。(自動詞の使役文)

(1)私は ホテルに 泊まる。
(2)私は お客様を ホテルに 泊める。
(3)私は 部下に命じて、お客様を ホテルに 泊まらせる。

(2)の他動詞文は私が直接お客様をホテルに泊め、
(3)の自動詞の使役文では、私は部下に命じて、
間接的にお客様をホテルに泊めます。

●対応する自動詞・他動詞がある場合は、
他動詞直接的、自動詞使役文が 間接的に関与します。

では、自動詞を持たない他動詞「(服を)着る」の場合は、どうでしょうか。

自動詞を持たない他動詞とその使役形

(1)服を着る(再帰的他動詞
(2)服を着せる(他動詞
(3)服を着させる(使役形)

(1)(2)(3)を使って文を作ります。

(1)子供が自分で服を着る。(再帰的他動詞)
(2)お母さんが子供に服を着せる。(他動詞)
(3)お母さんが子供に服を着させる。(使役形)

(1)は子供が一人で服を着ます。

(2)は、お母さんが直接子供を手伝って服を着せています。

(3)の使役文は、お母さんは 子供のかたわらで、
「服を着なさい」と言って、子供自身で服を着るように促しています。
つまり、直接手を貸すのではなく、間接的にさせています。

●上記のように自動詞をもたない「着る」は、
再帰的他動詞(着る)と他動詞(着せる)が
自動詞と他動詞の対応と、似た働きをしています。

●着脱の動詞、脱ぐ、(帽子を)かぶる、(靴を)はく、なども同じです。

使役文にできない動詞を知りたい方は こちらをどうぞ。
>>使役文にできない動詞

特殊な使役について知りたい方は こちらをどうぞ。
>>特殊な使役

ではでは ニゴでした。

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