受身の助詞・まとめ

1、「によって」:(1)堅い文体(論文、ニュース、演説・・・)
         (2)授受動詞(ニ格の重複を避けるため)
         (3)生産・破壊・(作品の)創造に関係する動詞

2、「から」  :(1)授受動詞(ニ格の重複を避けるため)
         (2)感情に関する動詞
         (3)「移動」「方向性」が感じられる動詞

3、「で」   :(1)「原因」「手段」の意味がある

4、「の手で」 :(1)「他の誰でもなく」という意味を強調する

5、「に」   :(1)1~4の条件が なければ、どの文にも使える。

以下に例文を示します。
         

1、「によって」:(1)○○さんは 少年Aによって 殺害された。
         (2)卒業証書は 校長先生によって 学生に 授与された。
         (3)飛行機は ライト兄弟によって 発明された。

2、「から」  :(1)花束は 部長から 田中さんに 贈られた。
         (2)マザーテレサは 世界中の人々から 尊敬されている。
         (3)田中さんは サングラスをかけた男から 鞄を 奪われたた。

3、「で」   :(1)整備不良 事故が 引き起こされた。
         (2)この小包は 船便 送られてきた。

4、「の手で」 :(1)このビルは 彼の手で 設計された。

5、「に」   :(1)わたしは 犬 かみつかれた。

●「聖徳太子が法隆寺を建てた」
 「A(聖徳太子)がB(法隆寺)を建てる、作る、書く、編む、」など
 作品を創造する動詞を用いる場合、その作品を受け取る人がニ格で表される可能性があるため、
 動作主は「に」ではなく、「によって」が使われます。
 →法隆寺は 聖徳太子によって 建てられた。

 例外・彼女は 法律によって 罰せられた

  →「罰する」は、創造を表す動詞ではありませんが「によって」が用いられます。

●「先生が 学生に 本を 渡す、送る、与える、」など、
 何かを受け取る人(学生)が、ニ格であらわされる動詞の場合、
「に」の重複を避けるために「から」(「によって」)が使われます。
 →学生は 先生から 本を 渡された。

●「警察は田中氏を怪しんでいる」
 「A(警察)がB(田中氏)を怪しむ、愛する、憎む、好む、嫌う、
 恐れる、惜しむ、尊敬する、軽蔑する、」など、
 AからBに向けてある種の、感情で働きかける動詞の場合、
 「から」「に」を用います。
 →田中氏は 警察から 怪しまれている

●「外国人は (優しそうな)田中さんに 話しかけた、声をかけた」
 ある種の方向性を持つ動詞は、「から」「に」を使います。
 →田中さんは 外国人から 声をかけられた。

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