~から(理由)

「~から」の意味・用法

1、「~から」「~ので」は理由を表す代表選手です。

ここでは「~から」について、お伝えしていきます。

(1)今日は土曜日ですから、田中さんは学校に来ません。

2、「~から」は話し言葉に使います。

(2)A:今日は、懐がさびしいから、そばでもいいですか。
B:ええ。もちろん。

3、「~から」は、後件の文に、いろいろな表現(意志表現)が使えます。

(3)時間がありませんから、急いでください。(依頼)
(4)熱があるから、病院に行こうと思う。(意向)
(5)すぐに戻るから、心配するな。(命令)
(6)今日は日曜日ですから、田中さんは家にいるでしょう。(推量)

4、「~から」は、同じ理由でも、二つの意味に分けることがあります。

以下の例文を、二つに分けてみます。

(7)今日は暇だったから、早く家に帰った。
(8)氷点下まで下がったから、池が凍った。
(9)これは安いから、買った方がいいと思う。
(10)クリスマスイブだから、レストランは予約できないだろう。

(7)(8)と(9)(10)にわけます。
まず、後件に来る文の意味を見てみます。

(7)「早く家に帰った」という動作の理由は「暇だった」から。
(8)「池が凍った」という出来事の理由は「氷点下まで下がった」から。
つまり、(7)(8)の「~から」は
動作や出来事の理由です。

(9)(10)の「~から」は、「安い」「クリスマスイブだ」ということをもとに、
「買った方がいいと思う」「レストランは予約できないだろう」と判断しています。
つまり、(9)(10)の「~から」は、
判断の根拠を表しています。

5、「~から」の前に来る語の形。

(11)普通形+から、普通形 : 明日は祝日だから、学校は休みだ。
(12)丁寧形+から、丁寧形 : 明日は祝日ですから、学校は休みです。

「~から」は上記のように、
普通形と丁寧形の両方に使えます。

(13)普通形+から、丁寧形 : 今日は車で来ているから、お酒は飲めません。

(13)のように普通形と丁寧形、両方を一緒に
使う場合もあります。

ただし、「~から」をつかって、丁寧に話したい時は、
「丁寧形+から、丁寧形」を使うと、指導した方が
初級の学生にとっては、やさしいと思います。

6、理由を表さない「~から」。

(14)明日必ず返すから、2千円かして。
(15)掲示板に貼ってありますから、もう一度見てみてください。

(14)(15)は、直接的な理由を表してはいません。
こういった「~から」は、後件の文は、
「命令」「依頼」「勧誘」などを使って、
相手に何かを頼むときに多く使います。

(14)は「明日必ず返す」ということをもとに、「2千円かして」とお願いしています。
(15)は「掲示板に貼ってある」ということをもとに、「見てみて」とお願いしています。

これは、「お願いする根拠」を示しているともいえます。大きく括れば、
「判断の根拠」に入れてしまってもいいのかもしれません。

7、終助詞的用法の「~から」。

(16)(出かけるときに)すぐに戻りますから。・・・・・・
(17)(レストランで)ここは、私が払いますから。・・・・・・

この「~から」も、直接的な理由を表しているとは、言えません。
でも、「・・・・・・」の文を想像してみると、

(18)(出かけるときに)すぐに戻りますから。(待っていてください)
(19)(レストランで)ここは、私が払いますから。(払わないでください)

このように、後件の文を考えてみると、
「~から」は、「お願いの根拠」を示しているともいえます。

【6、理由を表さない「~から」】と、よく似ています。

7、終助詞的用法の「~から」は、
後件の文を言わないことによって、聞き手に、
自分のメッセージや気持ちを伝えています。

「~ので」について知りたい方は、こちらをご覧ください。
「~から」とどう違うのかについても、書いてあります。
>>「~ので」(理由)(「~から」との比較)

ではでは ニゴでした。

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